AKANE -もう一度、逢いたい-
3人組に何を言われても耳に入ってこない。
その代わりにあの時の記憶が再び蘇りはじめていた。
呼吸は荒くなり、胸が苦しく息詰まる。
「茜!茜!」
あたしの名前をそんなにも必死で呼んでる気がした。
そんなことあるわけないのに…。
「茜、しっかりしろ!」
やっぱり、聞こえる。
遠くで必死に呼ぶあなたの声が…。
あんたなんか見たくないのに。
こんなあたし見られたくないのに。
「いや…だ、
あた…あたし…」
「大丈夫だから。
ここにいてるからな!」
「あた…しじゃない。
あたしじゃ……ッ!」
こんなの違うのよ。
「嫌いに…ならないで…」
そのままフラッと意識をなくし、倒れ込んだ。
***
茜は俺の目の前でフラッと倒れた。
最後に悲痛の言葉を残して…。
「茜!!!」
俺は大きな声で叫ぶが返答はない。