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お母様が待つ部屋の前に立った。



今日は何を押しつけられるんだろう。



・・・まぁいいや。



コンコン・・・



「どうぞ」



奥から、お母様の声が聞こえた。



「失礼します」



目をつむって、ドアノブを握った。



そして、ゆっくり一息吐いてから、再び目を開く。



もうあたしは、お母様の娘じゃない。



お母様の、主人の奴隷。



感情なんて、必要ない。



そんなもの、初めからない。
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