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「一回部活見に来てー!!」
学校のあちらこちらで勧誘の声が飛び交う。
基本運動部と吹奏楽部だけど。
あいにく、どちらも興味ない。
運動はしたくないし、ここの吹奏楽は厳しいことで有名だし。
もっと気楽にできるのあったらはいるのになぁ。
「♪~」
ん?
何か聞こえた・・・。
「♪~~」
途切れることなく、音が聞こえる。
長年培われてきた音を聞き取る力。
嫌いになったはずなのに、過敏に反応する。
『私の言うとおりに動かしなさい!』
あの日の事が、鮮明に蘇る。
でも
私は、着実にその音へ近づいていった。
いつもと違う、この感情。
私、音楽を求めている。
本能で、求めている――――――・・・・・・