◇桜ものがたり◇


 祐里は、お屋敷に戻ると、桜の樹の下へ向かう。


「桜さん、

 柾彦さまに素晴らしいお相手ができました。


 祐里は、光祐さまのお側で恙無く過ごすことができまして、

 しあわせでございます。


 桜さんのお陰でございます。

 ありがとうございます」


 祐里は、溢れんばかりのしあわせな笑顔で、

 桜の樹へ感謝の気持ちを伝えた。


 桜の樹は、幹に当たる陽射しを集めて、

 祐里のまわりへ光を投げかけていた。

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