◇桜ものがたり◇

 優祐(ゆうすけ)は、本人の希望と光祐の決断で、

 都の中学校へは進学せずに、星稜学園中学校に進学した。


 自分よりも勉強熱心な祐雫が、都の学校へ進学できないのに、

 ひとりで行くには気が引けた。

 優祐は、祐雫の学力を尊重していたし、

 また、強気な祐雫の内面の繊細さもよく理解していたので、

 祐雫と離れて都へ行く気にはなれなかった。


 優祐は、何時でも先ず人の気持ちになって考える

 優しい性格に育っていた。


 祖父の啓祐(けいすけ)は、落胆していたが、

 父の光祐は理解を示して、他の家族も内心喜んでいた。



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