世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
ミラはいらいらしながら自室までの道を歩いていた。
《私が聞きたかったのは、あんな業務的な言葉じゃない…》
先ほどのルキの言葉にご立腹のようだ。
《ルキは、成人の儀が終わって私がいなくなっても、きっといいんだわ》
考えると、だんだんいらいらより切なさや寂しさが増していった。
《…考えるのよそう》
この成人の儀が終ると、ペルト国の王子との結婚が決まっていたのだ。
父親からは、幼い頃に遊んでいたと聞いたのだが、覚えてはいない。
しかも、反対側の国のため、物心ついてから会ったことがないのだ。
そんな人と結婚なんて絶対に嫌…!
ミラは自室につくと一呼吸おいて扉を開けた。