世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
扉をあけると、すぐ数人のメイド達に囲まれ、服を剥がされ、豪華な重いドレスへと着替えた。
着替えがすむと、ドアの外にルキが立っていた。
「……姫様、とても似合っております。」
「……えぇ、」
今この状況で褒められても、別に嬉しくなかった。
「もう、お客様がみえております。……ペルト国王への挨拶を忘れないようにと、国王様がおっしゃっておりました。」
「……わかってる。」
そう言った姫様の顔は、切なさの上に、笑顔をのせたようだった。
ひどく、美しかった。