世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
VIPルームを後にしたミラは、さっきの少年のことを考えながら、ペルト国王を探した。
《きれな人だったなー、優しかったし。……誰かさんとは大違い》
ミラはふとルキのことを思った。
幼い頃から一緒にいて、あまり意識していなかったが、自分より6つ上の彼は、仕事も完璧にこなし、スラリとした長身に彫りの深い整った顔、まさに非の打ち所もない完璧人間だ。
いや、完璧すぎて同じ人ではないのではと思ったことさえある。
《違う、違う。ルキじゃなくてペルト国王をさがさないと》
ミラは本来の目的を思い出し、会場内を歩いた。