世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
王の悲痛な叫びに、彼は面白そうに笑い、ミラを自分の前に出し、王の方に体をむけた。
「えっ!! なに…、」
よろけそうになったが、彼の手が支えてくれた。
《いったい、なんなの…、》
王の視線が彼からミラへと移った時、彼が口をミラの首筋にあて、軽く歯を立て、吸い付いた。
「ヤッ、あ…、なに…?」
彼はミラの肌の感触を確かめるように食んでいると、耳へと移動し、何かを囁き、唐突に首筋へ牙で噛みついた。
「ひァッ、いっ…あぁ、」
どうやら血を吸っているようだった。
最初は痛かったが、だんだん痛みが痺れとなり、甘くなっていく。
会場内の視線がミラへと向けられ、ミラは恥ずかしさと甘い痺れで、どうにかなりそうだった。