世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
彼がミラの首筋から顔を離すと、瞳が赤く光っていた。
ミラは立っていらず、その場に膝をついた。
王は血相を変え、ミラに駆け寄ろうとしたが、なぜか途中で体が動かなくなってしまった。
《しまった…!》
王はなんとか動こうとしたが無理だった。
彼が何かをしたのだ。
慌てふためいている城内に向かって、彼は言った。
「我が名は、魔王ギル・D・サード。今、世界は我が手中にある。だが、お前らにある条件をだそう。……この娘、ミラ・スピアードと引き換えに、世界の平和を約束してやる。期限は3日、3日を過ぎるとその娘にかけた呪いが発動し、命を落とすことになる。……世界と一緒に、よく、考えろ」
そう言うと、彼は闇にまみれ、姿を消した。