世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
「――…ッ!」
首筋の痛みで目が覚めた。
どうやら、自室のベッドまで誰かが運んでくれたようだ。
《あ…、倒れたんだっけ、》
先ほどパーティー会場であったことを、思い出した。
《あの人、魔王だったんだ…、私…、》
ぼーっと考えていたら、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「……どうぞ」
上半身を起こし、返事をすると、そこには父の姿があった。
「ミラ、体は大丈夫か?」
父はベッドの傍の椅子に腰を下ろし、私の頭を撫でた。
だいたいのことは、わかっていた。
お父様が、これから何を話すのかも…、