世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
私は、わかっていた。
お父様を責める気は、ない。
当たり前の答えなのだ。…これが。
私も、世界中の人を道連れにしてまで、生きようとは思わない。
だから、これでいい。
嫌じゃないと言えば嘘になるが、私が゙はい"と言うだけで、世界が平和になるなら、別にいい。
「わかっていますわ、お父様。私も、もう子供ではありません。…嫁ぎ先が変わっただけですわ、一生の別れではありません。」
ミラはできるだけ明るく、振る舞った。
「――…ミラ、無力な父を許しておくれ。」
「お父様が気に病むことではございません、……私は大丈夫です。」