世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
世界のはじの深い森に、異界の王の城があった。
人々はだれ1人として、近づこうとはしなかった。
故に、だれ1人として、その姿を目にしたことはなかった。
みなはそれを魔王と呼んだ。
魔王や悪魔のせいで、世界は混沌としてしまっていた。
国々の王たちは考え、魔王の城に使いを送ることにした。
ある国に代々伝わっている、魔法使いの一族の長に、その役目を頼んだ。
月日は流れ、魔法使いが帰ってきた。
だが、間もなく命を失った。
魔法使いの身体には、ある文字が刻まれていた。
゙鯨の星が南に赤く輝く時、新たな驚異となり、汝、滅ぼすことなかれ。我それを欲す"