世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
しばらくたってもなかなか進まないので、ミラは馬車の外に出てみることにした。
すると、足元に赤い液体が流れていた。
《……なんだろ? 気持ち悪い、》
赤い液体をよけて、馬車の運転手のところに行くと、
運転手は脇腹から血を流し、馬に倒れていた。
「――ヒッ、ぁ、」
ミラは短い悲鳴をあげ、辺りを見渡した。
泣きそうになるのをこらえながら、とりあえず運転手を下ろそうと思い、反対側へ行った時、先ほど前に立っていたと思われる少年が、木の下に座っていた。