世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
少年の顔や服には、血しぶきの跡があった。
《もしかして、この人が…?》
その少年はミラに気付いたのか、ゆっくり立って、近づいてきた。
「お待ちしておりました。ミラ様、」
少年は鮮血のように赤い目をしていた。
「……あなたがやったの?」
ミラが恐る恐る訊ねると、少年は、悪びれもなく笑って言った、
「はい。ここより先に、ミラ様以外を近づけるなとのご命令だったので。」