世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
「…ラギド、ミラをよこせ。」
ラギドと呼ばれた少年は、笑いながらミラを背中に隠した。
「…ギルがいじめたんだろ。もっと優しくしないと、」
「邪魔するなって言っただろ」
ギルが呆れたように言うと、ラギドは急に笑みを消した。
「…ついてきた、まだ生き残りがいたようだ」
ギルは眉を潜めた。
「やったか?」
「あぁ。」
ギルは深刻な顔で、ラギドとミラの横を通りすぎ、ミラの頭を撫で、去っていった。
《……いったいなんのことだろう、? 悪魔も大変なのかな》
ミラはのんきにそんな事を考えていた。