世界を滅ぼしかねない魔王に嫁いだお姫様。
「姫様!いったい、どこですか姫様!!」
この広い城内を何十人というメイド達が駆け回っている様は、今までにも何度か見てきたが、今日はいつもに増して慌ただしかった。
「…どうなさったのですか?」
「ルキ様!大変です!!さっきから姫様のお姿が見当たらないのです。」
「はぁ…、今日は成人の儀だと言うのに…。あとは私が捜しましょう。」
今日は、ライク国10代目国王、アトラス様の1人娘である、ミラ様の18歳の成人の儀だ。
ミラ様は幼い頃、事故で母親である、ジェラル王妃を亡くしてしまった。
だが、幼いながらに、武道や教養と、今まで以上に頑張っておられた。
私は姫様の幼い頃から、執事として、お傍でお世話して参りました。むかしは素直で、おとなしい方だったのだが…、
…最近は、人を困らせることがお気に入りのようだ。