ファニープリンス



「それ死ぬでしょ」


「…私は生きれる」



しーーーーん、



怖いくらいの沈黙が走って、さすがにやばいと思った瞬間。




「…ふはっ!!もう、君って本当馬鹿」



背後で、立花がケラケラと屈託なく笑う声が聞こえた。



「、」




え、嘘でしょ。あの腹黒立花が無邪気に笑ってる?!


どうしてもその顔が見たくて、たまらなくて、



がばっと伏せていた顔を上げて振り向けば、



「何?」


「…別に」



すでにいつもの腹黒そうな顔に戻っていた。



なんてタイミングが悪いんだ私。



「っていうか、馬鹿ってなに」



どさくさに紛れて暴言吐いたこと、ちゃんと聞き取ってるんだから。


立花の場合、彼が言った”馬鹿”ってからかってるんじゃなくて、



本気で”馬鹿”って言ってるからかなりキツイ。



それにくわえて好きな人からだから、辛すぎる。



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