ファニープリンス
――――――とうとうやってきた合コン当日。
場所はおしゃれなレストラン。
女の子4人と男の子4人で開催、というわけなんだけれど。
「ど、どうしよう…」
楓夏に化粧の施しをしてもらった私は、レストランに踏み出せず、
店の前で呆然と立っていた。
きっと皆揃ってるのだろうけれど…。
やっぱり、馴染める自信も、彼を諦められる自信も全く無いせいで一歩も踏み出せない。
「何ぼーっと立ってんだよ」
「わっ?!」
やっぱり帰ろうか、とまで考えた時、いきなり肩を引き寄せられた。
驚いて隣に立った長身の人を見れば、
「そうちゃん!!まだ入ってなかったんだ」
「お前のことだからこんなことだろうと思って待ってたんだよ」
私服を身に纏ったそうちゃんが”大人の魅力”というものを放っていた。
しかもさりげなく馬鹿にされたし…。
当たってるけど…。