ファニープリンス
ギロリ、と睨めば、立花は薄い唇に緩いカーブを描き、至極面倒だと言わんばかりに溜息を吐いて長い指を優雅に動かし、私にメールを送り返してきた。
<仕事中ですよ、藤林さん>
ふっ藤林さんんんん?!
ぞわり。一気に鳥肌が体中にたった。
<元はと言えばあんたが”ちょっと太った?”とかムカツクこと送ってくるからでしょうが!!>
確かにちょっと太ったけれども!!
いやでも、1キロ単位じゃないんですけど!
0.7キロは太ったけど、そこまでじゃ…。
<ごめんね。ちょっと言葉足らずだったかな?
胸、ちょっと大きくなった?>
私はそのメールを見た瞬間、ブチッとパソコンの電源を切った。