ファニープリンス



ギロリ、と睨めば、立花は薄い唇に緩いカーブを描き、至極面倒だと言わんばかりに溜息を吐いて長い指を優雅に動かし、私にメールを送り返してきた。



<仕事中ですよ、藤林さん>



ふっ藤林さんんんん?!


ぞわり。一気に鳥肌が体中にたった。


<元はと言えばあんたが”ちょっと太った?”とかムカツクこと送ってくるからでしょうが!!>


確かにちょっと太ったけれども!!
いやでも、1キロ単位じゃないんですけど!
0.7キロは太ったけど、そこまでじゃ…。



<ごめんね。ちょっと言葉足らずだったかな?





胸、ちょっと大きくなった?>





私はそのメールを見た瞬間、ブチッとパソコンの電源を切った。




< 2 / 31 >

この作品をシェア

pagetop