ファニープリンス
『ね、あの人超かっこよくない?』
『わ、マジイケメンじゃん!』
ひそひそ声や、女性の視線が痛いな、とは思うけれど。
肩から腰に回ってきたそうちゃんの手に意識がもっていかれる。
「そうちゃん…?」
「あ?」
「…な、なんでもない」
口調だって、反応だっていつもとなんら変わりないのに、なぜかいつものそうちゃんと違うような気がしてならない…。
さりげなく歩幅もあわせてくれるし、誰かと肩にぶつからないようにしてくれるし。
なんか対応が、優しい…???
「おい楓」
「え?」
色々考え事をしていると、そうちゃんが声をかけてきた。
顔を上げると、マジメな顔のそうちゃんと目が合う。