ファニープリンス
――藤林 楓side――
結局あの合コンの後、一睡もできずに朝を迎えた。
毎日電話していたそうちゃんにも電話もできずに、布団の中で暴れる心臓を押さえていた。
『好きだ』
あの言葉、本当はずっと待っていた言葉だった。
そうちゃんは私の初恋の人で。
想いを伝えることなく、私は今まで生きていたから。
でも、立花に出会って私は、やっと諦められたのに。
今度は立花を忘れようという時に、かつての好きな人に告白された。
「楓夏…。どうしよう…」
これってオッケーするべきなの?
恋愛初心者の私には全くわからないよ。
どうするべきなのか、全く。