ファニープリンス
だけど、これは紛れもない事実!!
毎日のように私をからかう言葉を発してはおちょくるドSだ。
本当は奴の本性を楓夏に話したくてたまらないけれど、以前そうしようとして散々な目にあったから学習した私。
きっとこの会社を辞めない限り奴の呪縛は纏わり着いてくる。
「お疲れ様、神田さん」
と、後ろから聞こえたバリトンの声にビクリと体が強張った。
「あ、お疲れ様立花君」
楓夏がにこり、と柔らかく笑った。
するとテラスには二つしか椅子がないっていうのに、
立花は椅子をもう一つとってくると、わざわざ間に割り込んできた。
そう、わざわざ!!!