ファニープリンス




だけど、これは紛れもない事実!!
毎日のように私をからかう言葉を発してはおちょくるドSだ。




本当は奴の本性を楓夏に話したくてたまらないけれど、以前そうしようとして散々な目にあったから学習した私。



きっとこの会社を辞めない限り奴の呪縛は纏わり着いてくる。



「お疲れ様、神田さん」




と、後ろから聞こえたバリトンの声にビクリと体が強張った。



「あ、お疲れ様立花君」



楓夏がにこり、と柔らかく笑った。



するとテラスには二つしか椅子がないっていうのに、



立花は椅子をもう一つとってくると、わざわざ間に割り込んできた。




そう、わざわざ!!!



< 4 / 31 >

この作品をシェア

pagetop