ファニープリンス



「その紅茶おいしそうですね」



「ええ。最新メニューらしいわよ。飲んでみる?」



「え、いいんですか?」



「……」



しかも完璧私をスルー。


絶対に私には向けないであろう優しい微笑みを、奴は楓夏に向けている。



本性を楓夏に言ってはいけない理由。




「好きです楓夏さん」


「でしょ、私もこの紅茶好き」



奴は、楓夏が好きだからだ。




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