ファニープリンス



…はいはい。空気読めばいんでしょ。




「…はあ。じゃあ私も買ってきます!」



「いってらっしゃい」



今度はにこやかに返す立花。


どんだけ切り替え早いんだ。



私がいなくなって、微笑みあいながら会話をする二人を尻目に、



私は社員用の食堂を出た。



お似合いのカップルになるだろうし、私だって邪魔はしたくない。



「立花のばーか…」



外に出て冷たい空気を吸うと、なんだか余計虚しくなった。
夜空に浮かぶ星が、眩しくちかちかと光る。


…一人は嫌いだ。
色々、思い出してしまうから。




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