蜜な関係

「ハルカさん、飲みすぎ」


「うっさいコウキ」



いつの間にか現れたコウキが私の手からグラスを奪っていく。



「ああ～～っ」


「これ以上飲まれると、送っていく俺が困ります」



頭をクシャッと撫でられて、不覚にも胸がドキッとした。



「あんたも暇ね…」



照れくささから、口が滑ってつい悪態をついてしまう。



「あんたが呼んだんだろ」


「うふふ。えへへ」


「完全に酔ってますね…」



ため息を吐いて、めんどくさそうにしても。


私が呼び出せば、こうして迎えにきてくれる。


何度、妹の彼氏だということを嘆いたかわからない。


いい加減忘れようと告白してきた人と付き合ってみたけれど、満たされることはなかった。


私が自分を曝け出して、我が儘を言えるのはきっと彼だけなのだ。



私って、ほんと救いようのない


「…ばかだわ」


「なにがですか？」


「ん？　なんでもない」



酔ったフリを続けながら、コウキの手からグラスを奪い返し喉に流し込む。



「ああ～～っ。はぁっ…。
じゃあ、俺も今日は飲もうかな」


「コウキが？　珍しい」



たまには俺だって、ストレス発散したいんですとスーツの上着を脱いだコウキが私の横に腰掛ける。