better love.
「よっ!色男~」
社会科準備室には
田嶋先生と俺の2人しか居ない。
だからこう言ってくるのは田嶋先生で
言われてるのは俺となる。
初日の穂乃香の件以来、
田嶋先生は俺をおちょくる。
「その呼び方、止めてくださいって…」
「何言ってんの~?
モテモテのくせにっ!」
1ヶ月だけ俺の席となっている
机の上には大量の手紙とお菓子の山が…
バレンタインでもないのに。
その光景を田嶋先生は
にやにやしながら見ていた。
「また生徒入れたんですかぁ?」
この学校にやってきて
何度目になるであろう
溜め息を吐きながら
一つ一つを紙袋に入れていく。
日に日に増えていく
この山の欠片は
最終日どうなってるのかと
考えるだけで怖い。