《続》俺様ホストに愛されて
女の人の顔を思い出して、また気分が沈んで行く。
どう頑張ったって、あんな綺麗な女性に勝てるわけがない。
「綺麗な、女……⁉」
少し体を離して、怪訝な顔をしながらリュウがあたしの顔を覗き込んだ。
前髪の隙間から覗くキリッとした瞳にドキッとする。
それは熱がこもっているようにも見えて、思わずそらしたくなるほどだった。
「んな覚えねぇんだけど。誰かと勘違いしてんじゃねぇの?」
本当に心当たりがないのかトボけているだけなのかはわからなかったけど、リュウは眉間にシワを寄せながら真剣に悩んでいる。
「あたしがユメさんちに行くって言った日だよ。喧嘩して……怒って出て行ったじゃん」
「ああ……。それは覚えてるけど。綺麗な女って誰だよ?」
ウソ、本当にわからないの?
トボけてるだけ?