《続》俺様ホストに愛されて
「今が人生の中で一番幸せだよ」
亜希が幸せそうに笑うから、あたしも自然と顔が綻ぶ。
彼女がいても一途に前向きに大樹だけを想い続けた亜希。
そんな亜希の恋が叶って嬉しくないはずがない。
「ちらっと聞いたけど、妃芽のお父さんリュウ君のこと気に入ったんだって?良かったね、あのお父さんに認めてもらえて」
亜希の言葉に、だし巻き玉子を掴もうとしていた手を止めた。
認めてもらえた……⁉
「いやいや……まだこれからだよ」
あの言い方だと、これからのリュウ次第って意味だろう。
「でも太一の時とはえらい違いだったって大樹が……あ、ごめん」
太一っていう言葉を出して悪いと思ったのか、亜希が申し訳なさそうな顔をして見せた。
リュウに聞かれてないよね……⁉
あんなことがあったから、なんとなくあたし達の間では太一の話題はNGワードなのだ。
ちらっと様子をうかがってみたけど、大樹と夢中になって話し込んでいるのでホッとした。