《続》俺様ホストに愛されて
「おめでとうございます」
内診台の上に乗って足を広げているあたしに、カーテン越しに先生の声が聞こえて来た。
「この豆みたいなのが赤ちゃんの入ってる袋ですよ。大きさからして……10週目になりますね」
年配の女医さんは呆然とするあたしに次々と言葉を投げかけて来る。
「そうですか」
「はい」
としか返事を返せなくて、説明されたことを解釈するのに頭が追いつかない。
さらには出産予定日まで告げられて、あたしの頭はパニック寸前になった。
リュウとの赤ちゃん。
それはかなり嬉しいし、喜び以外の感情はないけれど。
あたしが……ママになる?
リュウがパパ……?
なんだかそんな実感が湧かなくて、それが自分の身に起こったことだとどうしても思えない。