《続》俺様ホストに愛されて
「それと……走るなって。もう1人の体じゃねぇんだから」
「う、うん」
あまりにも優しいリュウの声色に、さっきまでの怒りが鎮まって行く。
「大事な奴が出来たって言うから男かと思っただろ?紛らわしい言い方してんじゃねぇよ」
「ご、めん」
それよりも……。
どうしてそんなに嬉しそうなの?
顔が綻び過ぎて、いつものリュウじゃないみたい。
「なんでそんなに浮かない顔してんだよ?」
「え、だって……産んで、いいの?」
子ども、嫌いなんじゃないの?
「はぁ⁉産む以外の選択肢なんてねぇだろ」
「だって……子どもいらないって蓮夜さんと喋ってたじゃん」
いらないってはっきり言ってなかったけど、そんなニュアンスの言い方だった。
「んなこと言ってねぇし。俺、子ども好きだしな」
「えー⁉ウソ」
じゃあ
思い詰めたあの顔は一体なんだったの?
「ウソじゃねぇよ。あの時、お前最後まで話聞いてなかっただろ?」
「えっ⁉そうだっけ?」