《続》俺様ホストに愛されて
2.
汗が流れ落ちるのを気にもしないで、あたしはただひたすら走った。
他の人と楽しそうに話すのを聞いていられるほど、あたしは大人じゃない。
楽しそうに話なんかしないでよ。
リュウのバカ!
「はぁはぁ……っ、く、苦し……」
真夏の全力疾走は思ったよりも長く続かなかった。
眩しいくらいの太陽の熱にやられたあたしは汗だくでヘトヘト。
運動不足の体にはかなりキツい。
それもこれも、全部リュウのせいなんだからね。
あたしがいる前で、電話になんて出ないでよ。
肩で息をしながら後ろを振り返ったけど、そこには誰もいなかった。
追いかけて来てもくれないなんて。
もしかしたら、電話に夢中であたしがいないことにも気付いてないのかも。