《続》俺様ホストに愛されて
4.
一言で言うと大人の女性。
力強い意思を持った澄んだ瞳が印象的だった。
負けた……
一目見てそう感じた。
劣等感
嫉妬
敗北感
屈辱
そして
素直になれなかったことへの後悔。
色んな感情が入り混じり、心の中はぐちゃぐちゃだった。
「はぁ……」
デパ地下を出たあたしは、夕焼け空を見ながら大きくため息を吐いた。
今日何回目のため息だろう。
気分はどんどん沈んでいくばかり。
こんな日はパーッとしたいな。
なんだか久しぶりに飲みたい気分だし。
ユメさんとの待ち合わせの時間まで、まだ少しある。
こうして出歩くことが最近では全くなかったあたしは、久しぶりに『Rose Pink』に行きたい衝動に駆られた。
こんな時は、ヒロさんの美味しいカクテルを飲んで癒してもらうのが最善の手。
リュウだって、あの女性を連れてヒロさんがいるお店に行ったりはしないだろう。
足は自然とお店に向かっていた。