やっぱりお前がいい。
貴哉はいつも元気で、明るくて優しい。

私を笑顔にする努力をしてくれる。

彼なら心の穴を埋めてくれると思って付き合い始めたけど、忘れよう、諦めようと思うほど、凌を意識してしまう。

前は一緒にいることが嬉しかったのに、今は二人で部屋の中にいることすら辛い。

二人きりになるのが久しぶりのせいか、いつもはおしゃべりな凌も、さっきから黙り込んでいる。



「買い出し行こうか。」



沈黙に耐えられなくなって立ち上がると、凌が私の手を掴んだ。
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