―君ノ隣―


扉が閉まり観覧車はゆっくりと上昇していく。

どこか緊張に包まれ静かな空気が流れる。



「あいつらはイチャイチャしてるんだろな(笑)」


「バカップルだからね♪」


「たしかにな(笑)
雪は好きな人とかいないの?
そうゆう話聞いたことない気がしてさ。」


「えっと…いるよ?好きな人。」


「どんな人?」



今私の目の前にいます。

…なーんて言えない。言葉がでない。



「ごめん。無理して言わなくていいから。」



智くんは少し困ったように言った。再び静かな空気が流れる。



「あ!雪見てよ。頂上だよ!」


「智くん。」


「ん?どうした?」


「私の好きな人は智くんだよ。」



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