―君ノ隣―
とは言ったものの…。なんて言えばいいんだろ。
自分の想いを伝えるって難しいな。
パレードが見えるところに移動した俺たちは、
亜由加と政希、俺と雪にわかれ少し離れて座った。
静かで少し重いような空気が流れる。
なんの会話もないままパレードが始まってしまった。
「パレード始まるね♪」
雪は俺にむかって無邪気に笑ってそう言った。その笑顔につられて俺も笑った。
キラキラと光輝いて、パレードの衣装をまとった人たちや遊園地のキャラクターたちが次々に目の前を通っていく。
「見て見て!すごくキラキラしてるよ!」
「雪…。」
「なに?」
雪が俺のほうに向くと腕を引っ張り抱き寄せた。
「智くん!?」
「このまま聞いて…。
俺は雪が好きだ。
俺の彼女になってほしい。」
「私でいいの?」
「雪がいいんだ。で、返事は?」
「智くんの彼女にしてください…!」
俺は雪の頭を撫でてそっとキスをした。
雪は顔を赤くして照れくさそうに笑った。
そのあとはずっと手を繋いでパレードをみた。
パレードが終わり政希たちの元に行くと、
手を繋いでいる俺と雪を見て理解したのか祝福してくれた。
「雪奈よかったねー!!!」
「ありがとーっ亜由加ー!」
「おめでと。やっとだな(笑)」
「ありがと。ほんとだよ(笑)」