―君ノ隣―

次の日の朝。

いつもの電車に乗り、いつも通り学校に向かう。

いつもと違うところと言えば美羅さんがいて、
私は智くんと挨拶を交わしただけなところかな。



「雪奈大丈夫?」


「智樹もちょっとは考えろよな…。」


「政くんは美羅さんのこと知ってるの?」


「まぁな…。智樹とずっといるしな。
でも小5のときに美羅が引っ越してからは俺は会ってないからよくわからん。」


「そっか…。お似合いだよねあの二人…。」


「ばかっ!!なに言ってんの!!
智樹の彼女は雪奈でしょ!!堂々としてればいいのっ!」



その後も智くんと話すことはなかった。

席についてからも二人はずっと話していた。

そんな楽しそうに話さないでよ。

私ってこんなに嫉妬深い女だっけ?

今の自分やだな。


「みんなおはよう!連絡は…特になし!SHR終わり!
岡山!藤崎まだ教科書ないから見せてあげてな!」


「ごめんね?」


「大丈夫だって。」



1限目が始まった。私の席は一番後ろで智くんの席が視界に入る。

教科書ないのは仕方ないけどみたくないな。

机をくっつけて一つの教科書を二人で見るところなんて。

智くんが近くにいるのにすごく遠い存在に思えてしまう。

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