―君ノ隣―
昼休みになり美羅さんも一緒に食べることになった。
正直いやだ。だけどそんなこと言えない。
「お前ら弁当一緒じゃね?量は智樹のが多いけど。」
「智樹のお母さんが作ってくれたの。
あたしの両親と智樹の両親も仲良くって。」
そんな話聞きたくないよ。なんでそんな話するの?
やめてよ。嬉しそうに話さないでよ。
私はその場に居るのがいやになり
弁当箱を片付けて筆箱もカバンに入れて立ち上がった。
「雪!?どうしたんだよ!?」
「雪奈落ち着いて!?」
「帰る!智くんのばか!!」
私はカバンを持って教室から出ていった。
私を呼ぶ声がしたけれど振り返らず走って校門を出た。
校門を出て私は駅に向かって歩き出した。
さっきからケータイが震えている。
智くんからのメールと電話がたくさんきていた。
だけどメールを返すことも電話に出ることもできなかった。
そういえばあっきーに何も言わず早退しちゃった。ま、いっか。
駅に向かって歩いていると後ろから足音が聞こえた。
「雪!!」
「智くん…。」