―君ノ隣―
智樹side
最近俺は悩んでる…かも。雪のことで。
入学して1ヶ月がたった。雪を目で追ったり話したりして楽しくて嬉しく感じる。
けど政希以外の男子と話しているのを見ると少しいやになる。
なんなんだろ。この複雑な気持ち。
「はぁ…。」
「智くんどうしたの?ため息なんかついて。」
「いや…なんでもないよ?」
「そう?ならいいけど。あ、亜由加ー!」
ドキドキしてる。亜由加のところに行ってしまったことに少し寂しく思う。
なんなんだろ。この気持ちは。
「智樹。お前は何を悩んでいるんだ。お父さんに話してみなさい。」
「なにがお父さんだよ。あほか。」
「あほってひでぇなっ。で、なに悩んでんだよ?」
「バレてたんだ。実はさ…。」
俺は珍しく真剣な政希に最近の自分のことを話した。
「それってさ雪奈のこと好きなんじゃね?」
「……は?」
「じゃなきゃドキドキしたり妬いたりしねぇだろ?」
「たしかに…。」
「がんばれ!応援するからさ!」
俺が雪のこと好き…?そうなのかな。
でも政希の言う通り、じゃなきゃそんな気持ちにならないよな。
そんな悩みを抱えて答えが見つからないまま放課後になった。