―君ノ隣―


「ごめんなさい…。」


「そっか。ありがとう。」



体育館の裏から声が聞こえて男が1人出てきた。

そこに雪もいて、少し申し訳なさそうにしていた。



「智くん!」


「やっと見つけた。帰ろうぜ!」


「うん。会話聞こえてた?」


「ごめんなさいとありがとうだけな。
なに話してたんだ?」


「告白されて…でも断ったの。」


「そうなんだ…。」



そのあとなにも話さず教室に戻り帰ることにした。

少し気まずかったがいつものように楽しく話しながら帰った。

電車に乗り、自分が降りる駅に近づくにつれて寂しく感じる。



「じゃあな。気をつけて帰れよ?」


「うん♪」



雪は笑顔で言った。その笑顔を見て愛しく思った。

そっか。この気持ちは…。今わかった。


俺は雪のことが好きなんだ。

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