―君ノ隣―
事故発生から5日目。
いまだに目を覚まさない智くん。
学校が終わって病院にいつも行く。
その足取りは日に日に重くなっているような気がした。
智くんの病室に向かうと病室の前に兄弟4人がいた。
いつもの明るさはなく泣いているように見えた。嫌な予感しかしない。
「どうしたんだよ…。」
「兄ちゃんが…。」
静かな廊下に4人の泣き声が響く。
私はドアに近づいた。
心臓がドキドキしてる。
体が少し震える。
嫌な予感しかしない。
でもこのドアを開けなきゃ真実はわからない。
私はそっとドアノブに手をかけた。
「雪奈さんだめ!」
和真くんに止められたが、私はドアを開けて智くんのベッドに近づいた。