―君ノ隣―
「ねぇ…手術は成功したんでしょ!?
なのに…なんで…なんで智くんは…!!」
「雪奈落ち着いて!!」
「落ち着けっ!」
「落ち着けないよ!
やっと…やっと…会えたのに…!!」
私はその場に座り込み泣いてしまった。
すると智くんが私の頭をそっと撫でた。
その撫でる手が愛しくて恋しくて。
だけどどこか切なくて。
「泣かないで?
君のこと覚えてなくてごめんね。
俺のことで泣いてくれてありがとう。」
そう言って智くんは微笑んだ。
記憶はなくても智くんの優しさは変わらないんだね。
私は涙を流しながら微笑んだ。