―君ノ隣―


そんなある日の昼休みだった。

いつものようにいつものメンバーで昼食を食べていた。

教室が騒がしい中、ドアを開けて1人の女の子が入ってきた。

その瞬間、教室が一気に冷めて静かになった。


「智樹ー!!」


その女の子は俺の前にくると突然泣き出した。
俺はびっくりして立ち上がった。するとその子は俺に抱きついてきた。



「あの…大丈夫?」


「うん大丈夫…。ずっと迷ってたの…。」


「なにを?」


「あたしは紅桜麻里。智樹の彼女だよ?」


「え…?」


静かだった教室はざわつき俺たちをクラスメイトはじっと見ていた。


横にいる政希たちをちらっと見ると、政希と亜由加と神悟は眉間にしわを寄せていた。


そして雪奈は今にも泣きそうな顔をしていた。


なんでそんな泣きそうな顔してるんだよ…。


「でも俺、なにも覚えてなくて…。」


「知ってる…。それでもいいの!!力になりたいの!!智樹お願い!!」


「わかったから…泣くなよ。それで納得がいくならいいよ。」


「ありがとう!!」



麻里は教室から出ていき、なぜか教室の空気は重たく静かだった。


なんか…まずかったのか…?


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