―君ノ隣―
智樹side
気づくと卒業式の1ヶ月前になった。
学校は週1で登校日がある。
なにも思い出さずただただ月日だけが過ぎていった。
そして今日は麻里の家で遊ぶことになっていて今は部屋にいる。
「なんか飲み物もってくるね♪」
そう言って部屋を出ていった。俺は何の気なしに寝転ぶと、ベッドの横にあるテレビの台の下に置いてある小さな箱を手にとった。
悪いと思ったがその小さな箱を開けた。
中にはブレスレットとネックレスとプリクラや写真が入っていた。
ブレスレットとネックレスには〔ゆきな〕と〔ともき〕の文字。
裏返しで入っているプリクラや写真をみた。
そこには笑って写る俺や雪奈。そして政希に亜由加、神悟。
「デート…Wデート…。俺と雪奈って…。」
プリクラには〔デート〕や〔○ヶ月突破〕の文字。
付き合ってたんだ。
だからあんな切なそうにしていたのか。
でもなんで麻里が…その前になんで嘘をつくんだよ…。
いつ持ち去ったんだ?俺の家にきたとき?
足音が聞こえ俺は慌ててその箱を自分のカバンに入れた。
「おまたせ♪」
「悪い。今日は帰るな。」
「大丈夫?駅まで送るよ!」
「いやいい。じゃあな。」
そう言って俺は麻里の家を出ていった。