―君ノ隣―


ピンポーン


「はーい!あ、智樹ー!!どーしたの??」


「麻里。話があるんだ。」


「なに?」


「お前は本当の彼女じゃないよな?

雪奈が本当の彼女だよな?

この箱は勝手に持って帰ったのか?」


箱を見せると麻里は驚き血の気が引いていた。

けれどすぐに鼻で笑い俺をじっと見た。


「そうよ。雪奈ちゃんが彼女であたしは元カノ。」


「自分のしてることわかってんのか?」


「もちろん。でもその様子は記憶は戻ってないみたいね。

ねぇ…賭けをしない?

このまま卒業式まで記憶が戻らなかったら智樹はあたしのもの。

もし戻ったら雪奈ちゃんの元に帰してあげる。

どう?」


「お前…最低だな。」


「知ってるよ…そんなこと。でもそれでも…。

で、どうするの?」


「受けてたつ。必ずその賭けには俺が勝つ!」


そう言って俺はその場から去って行った。

これ以上雪奈や政希たちを…兄弟たちを傷つけない。

傷つけたくない。


辛い思いをさせたくない。


絶対記憶を取り戻してみせる。

俺は心に強く決意した。


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