ポケットに、鍵。
声をかけてくれたのにもびっくりしたけど、一番びっくりしたのがお隣さんの激似っぷり!
大学生になっても少女漫画が大好きで、なんと、そのとき特にハマって読んでいた漫画の中の男の子にそっくりだったの!
それ以来、リアル隼人君(漫画の男の子)見たさにわざと鍵を忘れてみたり、彼氏が留守の時間を狙って行ってみたり…。
とにかく、お隣さんと顔を会わせる機会を作ること、十数回。
*
「おっかしいなぁ、ちゃんとバッグに入れたはずなのに…」
そして今日もまた、リアル隼人君見たさに彼氏の部屋の前で鍵を忘れたふりをするあたし。
お隣さんの部屋のドアが開くのを今や遅しと待っていた。