お風呂上がりの望遠鏡
8.電話
勝くんが消えた。
玄関のドアが開くのが、直接じゃなく、明るくなった天井から見て取れた。
勝くんが再び現れる。手にはラッピングされた鉢。
(驚いてる、驚いてる)
手紙を取り出した。
(お金、入ってたかなあ)
手紙を広げる。
(うわっ、手紙読むの、速いし)
ケータイを取り出した。
(そうそう、ちゃんと電話しとかなくちゃね。お母さん、心配してるよ)
と、その時、私のケータイが鳴った。
(えっ)