お風呂上がりの望遠鏡
 
口をあんぐりとまでは行かないにしても、かなりそれに近い状態の押領司くんがいた。

「そんな、引かない引かない」
「そんなことない、っす」

「おばさんだったから、がっかりした?」
「まさか、・・」

もう、そんな顔しないの。
まぁ、ショックってのはわかるけどね。

「押領司くん、いい感じだよ」
「こんなん、初めて着たんです。・・変でしょ」

「ぐるっと回ってみて」
「えっ?」

肩に手を伸ばし、後ろ向きにする。
思った以上に背が高い。

「ううん、大丈夫。合格ぅ」
そう言いながらお尻を叩いた。

押領司くんは大げさによろけてみせて、ようやく笑顔を見せた。

「心配だったんです。釣り合わないんじゃないかって」
「そんなことないでしょ」

「だって、そんな白いひらひらのワンピース、憧れだったんっす。」
「またまたぁ、」


よしっ、若い子も悩殺。


 
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