お風呂上がりの望遠鏡
 
「大丈夫ですかね」

「気になる?」

押領司クンは振り向く。

「いや、そばにいても何にもできないっすから」

そう言いながら、心配そうな表情を見せる。
押領司クンってこんな子だったんだ。


「お父さんが上ってくるまで、いっしょに待っててあげようか」

押領司クンは急に明るい表情を見せる。

そして、私を置いて、加奈ちゃんのところへ駆け寄っていった。


ホント、単純なんだか、何なんだか。


 
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