お風呂上がりの望遠鏡
「今日が さいごなんだって・・」
加奈ちゃんは突然、胸の内をのぞかせた。
「あした、・・行っちゃうの」
「行っちゃう?」
「ママと あやちゃんが とおくに 行っちゃうんだって・・」
私は押領司クンに視線を送る。
でも、押領司クンは加奈ちゃんを見つめたまま、視線をそらそうとしない。
「あやちゃんって?」
「いもうと」
「そうなんだ」
「パパは いつでも会えるって いってる。でも、・・」
「そうだよね。つらいよね」
加奈ちゃんは涙をぽろぽろこぼした。